日本聖公会北海道教区

08.21

支援室ニュース定期便No.12

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【いっしょに歩こうプロジェクト釜石被災者支援センターオープン】
釜石駅からほど近い国道に面する建物が、日本聖公会「いっしょに歩こうプロジェクト」の釜石における新たな支援拠点として整えられました。津波到達点との境界線に位置し、一階が浸水した老朽空店舗であった為、相当の手入れが必要でした。給排水・電気などの地元工務店による工事を引き継ぐ形で、一階のペンキ塗り・二階居室の内装・本格的清掃などのために、北海道教区から8名がフェリーで海を渡り、準備して待ち受けて下さっていた藤井司祭・直姉と共に4日間にわたり働かれました。また、仙台からイ・チャンヒ司祭が全期間にわたって奉仕に加わって下さり、中山司祭様を始め盛岡聖公会の信徒の皆さんも日帰りで応援に駆けつけ、共に汗を流されました。ボランティアの皆さんによる奮闘の末、見違えるようになり、一階は20坪のオープンスペース・二階は3LDKの住居部分で、一階は被災者の方々がくつろげる場所に、二階は十人程度が寄宿できるボランティア宿舎として整えられました。(※以下、活動報告からの抜粋)
8月5日(金)晴れ
13:30~ 北海道の皆さん(海老原・熊野・高橋・尾関夫妻・内海執事)到着。下水道の工事遅延により水が出ない。隣の家から水も塗装工事にかかる。2階はジュウタン敷きのみ。
8月6日(土)晴れ
鈴子支援センターへ ペンキ塗り作業。次第に慣れてきたようだが、服も靴も顔やら腹やらペンキだらけ。盛岡より中山司祭、信徒3名(曽根夫妻・土居兄・渡部姉)加わる。2階壁拭きなどなど大奮闘。が、壁の汚れのほうが強かった。たくさんの方とともに働き・話し・食し・ともにいる、なんと嬉しいことか。盛岡組、夕食もとらず午後5:30時帰郷。感謝。東北教区信徒ボランティアとの初の協働。この働きがますます広がり、当教区の働きを通して、被災者への関心、釜石への新たな宣教への思いが強められ、釜石神愛教会の新たな歩みが進められますように願うものです。山崎典美・直子夫妻加わる。
8月7日(日)快晴
女性軍3名。朝食用意5:30起床。男性軍7:00全員起床。8:42 鈴子へ第1陣引越し。布団類移動。支援センター工事確認。上下水道貫通した。
10:30 聖餐式・説教 司式藤井司祭、補 内海執事、サーバー熊野 威兄。奏楽高橋仁美姉、旧約松田兄、使徒書尾関姉。昼食後 陸前高田・大石・本郷・釜石市内の被災地視察。外食。支援センター泊。
8月8日(月)
一日一杯作業に汗を流す。徹底した清掃で見違えるようになる。一階の壁面は、神愛幼児学園からの提供いただいた貼絵で飾られ、和やかな雰囲気のスペースに。
【釜石ベース<被災者支援センター>開所礼拝】
8月11日(木)震災5か月を迎えるこの日、午後2時より、植松首座主教臨席のもと、加藤主教様の司式で行われました。教団新生釜石教会の柳谷牧師、仙台オフィスからは中村事務局長、盛岡聖公会から中山司祭と信徒の方々、釜石神愛教会の信徒の方々に、北海道のメンバーが加わっての礼拝でした。ここに至るまでの、困難な準備に全力で奉仕下さった藤井司祭・直姉は、全てが整えられた事を見届けられ、開所式の前日に函館に帰任されました。一か月を超える事となったお働きに感謝。(※ 以下、活動報告からの抜粋)
8月11日(木)いよいよ開設日
7:00 朝の祈り、朝食後一階の準備に入る。NTT固定電話・FAX設置さる、IT関係も万全。
13:30 植松主教様到着。釜石は初めてとのこと。
14:00 開所礼拝 司式:加藤博道主教様 出席者22名 式中2:45分にサイレン鳴り渡り、一同黙祷。
16:00 参加者懇親の後、植松主教・加藤主教・中村事務局長・大町司祭で、今後の釜石ベースの運営について協議。
19:00 引き続き釜石に残る内海執事・海老原兄と植松主教・大町司祭で、今後について協議。支援センターに宿泊。
22:30(震度4)、就寝前(震度1)、3:21(震度3)の地震あり。
【青年を中心とする 第一次釜石ベースボランティアを募集】
◎下記のように、ボランティアを実施します。是非応募ください。
日 程: 9/5 (月) 20:00に札幌発予定。24時のフェリーで苫小牧発
9/6 (火) 朝八戸着・昼ごろ釜石着
9/7 (水) ボランティア
9/8 (木) ボランティア
9/9 (金) 午前中・ボランティア 午後釜石発,、夜のフェリーで八戸発
9/10(土) 朝苫小牧着
引 率:執事 吉野暁生(青少年チャプレン)
費 用:交通費は、教区規程により補助します。 期間中のボランティア傷害保険を、教区の負担で加入します。食事代は、自己負担(5000円程度を予定)となります。
応募:凡そ、35歳までの青年若干名(高校生が応募の場合、親・学校に許可を取っておく事)
申 込:吉野執事(080-3254-1675)まで直接連絡下さるか、所属教会牧師を通して行ってください。※〆切は、8/28(日)
持ち物:シーツ・枕カバー・着替え ※作業に参加できる靴、汚れてもよい服を用意ください。
※第二次以降の派遣も計画いたしますので、今回無理な方も次回にご参加下さい。
【釜石での炊事ボランティアを募集】
釜石ベースは、自炊でボランティアの食生活が維持されています。今後、ベースでの働きが進展していきますと、多くのボランティアが宿舎として利用されます。当面の間、炊事担当ボランティアを派遣して食事を維持していきたいと思っています。例えば女性2名などの形態で1週間~10日間、現地でお奉仕いただけるような形態を考えています。ベースの一階は、お茶飲み場としてくつろげる場所として、また支援物資のフリーコーナーとして、色んな方が訪れて下さる事が期待されていますので、日中はそこで被災者の方々のお話し相手になっていただく事(傾聴ボランティア)も、お願いしたいと思います。是非、協力、ご参加ください。交通費の補助などがございますので、詳しい事は、震災支援室にお問い合わせください。
【いっしょに歩こう!プロジェクト】
「いっしょに歩こう!プロジェクト」の活動の様子は、月一度発行予定の「ニュースレター」や、「いっしょに歩こうプロジェクト!」ホームページhttp://nskk.org/walkで、ご覧いただけます。
【支援室の活動】
インターネットで支援室ブログが見られます。http://nskkhokkaido.blog89.fc2.com又は、「日本聖公会北海道教区ホームページ」➔「東日本大震災」➔「震災支援室ブログ」の手順でご覧下さい。
【震災支援室より】
◎支援室ニュースは、各教会において掲示下さると共に、増刷して配布ください。支援室ニュースのバックナンバーは、日本聖公会北海道教区のホームページにでも見る事ができます。
◎ 教会や個人での取り組みについても、お知らせください。他の教会の活動の参考になります。

08.07

支援室ニュース定期便No.11

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【神愛幼児学園で夏祭り】
7月30日(土)、釜石神愛幼児学園にて、「夕涼み会」が開催。園の行事であると共に地域にも開かれた行事として、近隣の仮設住宅(幼児学園の近隣には約400戸)からも、たくさんの方が楽しまれました。7月27日より、ボランティア入られた沖田真理兄(札幌キリスト教会)は、「夕涼み会」と、ボランティアベース整備のための準備作業に藤井司祭・直姉と共に汗を流されました。
【釜石ボランティアベースを確保】
釜石では、震災直後より釜石神愛教会・幼児学園をベースにして活動を継続してきました。釜石神愛教会は、幼児学園(保育所)の遊戯室が礼拝堂を兼ねており、現在までの活動は、園舎の一部をお借りして続けてられてきました。このため、現地に滞在できるボランティアも通常2~3名に限られてきましたが、この度、釜石駅からほど近い国道に面する建物を、日本聖公会「いっしょに歩こうプロジェクト」の「釜石ベース」として借り受ける事となりました。1・2階合わせて40坪の建物で、1階は店舗フロアー・2階は3LDKの住居部分となっています。1階が支援活動に、2階は、最大10人程度が寄宿できるボランティア宿舎として活用される見込みです。
【ボランティアベース整備へ】
上記の建物は、津波到達点との境界線にあたり、津波で一階が浸水した事と、築40年の老朽建物で長く空き家となっていたために、大幅な改修と清掃作業が必要でした。そのため、石塚正史兄(聖マーガレット教会信徒)が現地入りし、工務店に委ねる工事と派遣ボランティアの奉仕による部分を仕分けしました。その結果、給排水、ボイラー・電気などの専門性の高い工事が、地元の工務店により10日間の工期で始まりました。釜石の現状では迅速な工事発注はとても困難なのですが、釜石神愛幼児学園の高橋理事長に尽力いただき実現。また、宿舎整備のための、生活物資(いわゆる鍋・釜・布団)の必要数の洗い出しと、寄贈依頼・購入計画が、藤井司祭・直姉によって進められました。「夕涼み会バザー」並びに「ボランティアベース備品」のため、物品提供下さった諸教会の皆様、感謝。
【ボランティアベースの掃除・改修ボランティア派遣】
業者による工事を引き継ぐ形で、一階のペンキ塗り・二階居室の内装・本格的清掃などのために、北海道教区から高橋力兄(苫小牧),尾関敏明兄・尾関真理姉(帯広)、熊野威兄(ニコラス),山崎典美兄・山崎直子姉(旭川),海老原祐治兄,内海信武執事からなる8名のボランティアを派遣。苫小牧➔八戸のフェリーと陸路で現地入りしました。8月5日~9日までの予定で作業に奉仕されます。このボランティアには、東北教区からも数名の方が参加下さいます。
【開所礼拝釜石ベース<被災者支援センター>開所礼拝】
★8月11日(木)午後2時より、現地において、加藤主教様の司式で、行われる予定です。案内ポスター
【高木泉さん、仙台での働きに】
仙台では、表瑞木(おもて・みづき)姉(札幌キリスト教会)が既に、システム管理の働きを中心にオフィススタッフとして働いておられます。新たに高木泉姉(深川聖三一教会)が、ボランティアワーカーとして、被災された在留外国人の方々へのケアーの働きを中心とした働きに加わられました。
【藤井司祭から内海執事にバトンタッチ】
8月5日(金)、内海信武執事(平取聖公会・新冠聖フランシス教会)が、釜石での働きに着任。前任の藤井司祭との引き継ぎを経て、同地での約1か月間の働きがスタートします。一方、藤井司祭は、釜石ベース整備を見届けるため予定の一か月を更に一週間延ばされ、8月9日に、離釜の予定です。この間、藤井司祭と共に、藤井直姉(函館聖ヨハネ教会)が、現地で働きを共にされました。お二人には、最も暑い時期、釜石における拠点の立ち上げにご苦労いただきました。感謝。
【 釜 石 から 】
●新たに開設される支援センターの壁面には、釜石幼児学園の延長線上に、飾り付ける。園長先生の許可を頂き、職員・園児の協力を得て、作品を壁面・ショ-ウインドウに飾りつける。被災された方々、親子が共にくつろげ、話し合い、遊べるスペース、お茶やクッキー(気仙沼の)が味わえる。そんな夢も語り合えることができたが、鈴子(釜石ベースのある場所)への被災者の足はどうする。彼らはどうやって支援センターに来るのか。集まってくれるほどに魅力ある支援センターもまた楽しいとは思うのだが。将来を展望して ①ボランティアの中には、労働奉仕を希望する方もあろう。幸い公的支援室も近いことだし、十分な情報を得て、支援のハザマにある人々を模索し、協力することができるだろう。
②町の中心部から離れた地域にある仮設の住民との関わりを継続する。やっぱりセンターから出て、逢い、話し、心を通わせるのがベターなのではないか。(藤井司祭)
●夕涼み会に出店する準備。昨日夕方、仮設のお友達お二人が出店のお手伝いに来て下さり大助かり。午後再び仮設へ。昨日寝具を届けたUさんにお会いしとても助かったと言われ、私たちも嬉しくなる。「これは、北海道の皆さんからあなたにです」と伝えました。昨日お手伝い下さったSさん宅を訪問。アイスキャンディーを頂き、3・11の出来事を話して下さいました。1週間は言葉も声も無く、無表情であったそうです。体を寄せ合い寒さをしのいだと話して下さいました。涙が出てきました。明日の夕方、フリーマーケットのお手伝ができるので、今から楽しみと話しており、わたしも嬉しいです。(藤井直)
●夕涼みの前に仮設へ、Dさんを訪ねると、家の中に招かれて昨日同様話しこむ。昨日の話しに続き、今日は姪っ子さんの話。今回の津波で行方不明になって3ヶ月に葬儀をすることになったが、姪っ子さんが見つからない。葬儀の前日になんと姪っ子さんのバックだけが見つかったという。葬儀の当日、空だった骨壷に姪っ子さんのバックが入れられて、ようやく区切りがついた気がしたという話しだった。午後からは、神愛幼児学園の夕涼み会の用意を始める。仮設のSさんによると「今年はお祭りが中止になってしまい、こうゆう時だからお祭りをやってほしかっと思っていたので嬉しい。」と話していた。開式のずいぶん前から、Sさんは幼児園にお友達数人と現れて、無料コーナーの手伝いをしてくれるという。各教会の方々が送ってくださった沢山の物資のダンボールを外に運び出すと、物資の前に人が集まり、開式を待たずして無料コーナーがスタート。それにしても、Sさんをはじめとして、仮設のお母さんたちの切り盛りのすばらしいこと!辺りが暗くなってくる頃、子どもたちの歌と踊りのパフォーマンス「マルマルモリモリ」や「アンパンマン音頭」に手拍子が起こる。浴衣姿の子供たちや楽しそうな大人たち。元気なお年寄り、必ずしも当たり前ではなくなった2011年の夏、被災地となった釜石に夏の風景があった。みんなと釜石で働いて、みんなと釜石にいた2011年の夏は、特別な夏だ。(沖田真理)
【いっしょに歩こう!プロジェクト】
「いっしょに歩こう!プロジェクト」の活動の様子は、聖公会信徒家庭全戸に対して月一度発行される「ニュースレター」や、「いっしょに歩こうプロジェクト!」ホームページhttp://nskk.org/walkで、ご覧いただく事ができます。
【支援室の活動】
インターネットで支援室ブログが見られます。http://nskkhokkaido.blog89.fc2.com又は、「日本聖公会北海道教区ホームページ」➔「東日本大震災」➔「震災支援室ブログ」の手順でご覧下さい。
【震災支援室より】
◎ニュース定期便は、各教会において掲示下さると共に、増刷して配布ください。
ニュース定期便のバックナンバーは、日本聖公会北海道教区のホームページに入り、「東日本大震災について」(アカ字で表示)をクリックすると見る事ができます。
◎ 教会や個人での取り組みについても、お知らせください。他の教会の活動の参考になります。

07.10

支援室ニュース定期便No.10

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【リベリナ教区からの支援チーム来日】
北海道教区は、オーストラリア聖公会リベリナ教区との交流を深めてきましたが、今回の震災を受け、同教区より熊坂司祭と、マイケル.ハリナン氏が7月1日から10日間の予定で来日されました。同教区では、震災直後より嘆願が捧げられるなど、深い関心を寄せていただいていますが、リベリナ教区の地域に対する災害等の際の支援活動体である「アングリ・ケアー」を代表して、お二人がみえられました。お二人の働きは、仙台からスタート。教区で実施された「支援募金」を、日本聖公会震災支援仙台オフィスで手渡されると共に、仙台にある東北教区の施設「青葉静修館」での物資仕分け作業に参加。7月5日、大町司祭・吉野執事と合流し、車で約250キロに渡る三陸沿岸の被災地(石巻・南三陸・気仙沼・陸前高田・大船度など)を視察の後、釜石入りしました。釜石では、支援物資の配布、仮設住宅への訪問など、釜石神愛教会・幼児学園を通して行われている支援活動に参加されました。7月10日(日)の主日礼拝を、釜石の地で守られた後、11日(月)、札幌キリスト教会で開催される「被災地支援活動報告会」に出席され、共に報告されます。
【池田司祭から藤井司祭にバトンタッチ】
7月4日(火)、藤井八郎司祭(函館聖ヨハネ教会・今金インマヌエル教会)が、釜石での働きに着任されました。前任の池田亨執事(札幌キリスト教会)との引き継ぎを経て、同地での約1か月間の働きがスタート。一方、池田司祭は一か月を超える働きを終えられ、7月8日(金)に、離釜されました。尚、藤井司祭と共に、藤井直姉(函館聖ヨハネ教会信徒)が、ボランティアとして現地に入られ、ご夫妻での働きとなります。今年の釜石は、既に夏の暑さが厳しく、お二人が健康に働きを続けられるようお祈りください。
【漁労用合羽80着を援助】
7月6日~7日にかけて、釜石市内にある小漁港「大石」「本郷」両地区に対して、「漁労合羽」を支援物資としてお渡ししました。両地区は、釜石中心部より相当に離れた漁村で、震災当初より支援物資が行き渡らない状態があり、釜石に最初に着任した飯野司祭が釜石神愛教会の皆さんと共に、頻繁に訪れ食料や生活必需品の支援を行った地域です。同地では、津波により人命や家屋も失われていますが、同時に作業用施設をはじめ、船や網などの資材の大半を失っておられます。生活再建と生産活動の再開に向けて、現在、最も必要なものを問い合わせました所、漁業従事者の日常の作業に欠かせない合羽(ズボンが胸まであるスタイルの物を想像下さい)が全く不足しており、入手も困難である事が判りました。町のホームセンターなどでは入手できない特殊なものであるため、飯野司祭と、網走聖ペテロ教会の信徒で永年漁業に携わってこられた斜里在住の山本浩史兄を通して、現地との連絡を取り合いながら発注作業を行いました。その結果、80着(約75万円)を支援費により購入しお届けする事ができました。現地の方々からは、今最も必要なものとして非常に喜ばれました。
【ボランティアベースが確保されました】
釜石では、震災直後より釜石神愛教会・幼児学園をベースにして活動を継続してきました。釜石神愛教会は、幼児学園(保育所)の、遊戯室を礼拝堂としており教会として専用のスペースを持っていません。そのため、旧牧師館の一部を活動のために提供いただいていましたが、このスペースも通常は、0歳児の保育のために用いられているものでした。幼児学園近隣に多くの仮設(約400戸)が設置された事もあり、仮設住宅からの就園児の受け入れも始まり、現在使用させて頂いている部屋も保育のために不可欠となる状況が迫っておりました。このため、ボランティアの宿泊や支援活動のために教会の近隣に新たな拠点となる建物を求めておりましたが、家を失った方が3000世帯を超える中、適した賃貸物件を求める事は困難を極めておりました。そんな中、空店舗が見つかり、日本聖公会が借主となり、震災支援の釜石ベースとして整備する事となりました。釜石駅からほど近い国道に面する1・2階合わせて40坪の建物で、1階は店舗フロアー・2階は3LDKの住居部分となっています。1階が支援活動に、2階がボランティア宿舎として活用される見込みです。
【ボランティアベース整備へ】
上記の建物は、津波到達点との境界線にあたり、津波で一階が浸水した事と、築40年の建物で老朽化が進んでいる上に長く空き家となっていたために、そのままの使用は困難な建物です。そのため、本格的な清掃と改修の作業が必要とされます。そのため、専門業者に委託する部分とボランティアで行える部分を仕分けすると共に、早急な使用開始のための行程表と段取りを整えるため、石塚正史兄(聖マーガレット教会信徒)急遽、現地入りし藤井司祭と共にその作業に入りました。
【ボランティアベースの掃除・改修ボランティア募集へ】
上記調査の結果、北海道教区よりボランティアを派遣する事になります。日程が決まり次第、改めて、急遽、道内諸教会にボランティア募集の案内をいたしますが、このような作業のために参加でき可能性がある方は、是非、支援室の方にお申し出ください。また、教会より推薦いただければ、支援室よりご本人に協力の要請をいたします。また、宿舎整備のための、生活物資(いわゆる鍋・釜・布団)の整備の物資提供リストの作成も考えていますので、併せて今後のニュースにご留意ください。
【表瑞木さん、仙台オフィスに着任】
表瑞木(おもて・みづき)姉(札幌キリスト教会信徒)は、教区の支援室開設当初よりボランティアとして協力いただいていましたが、7月4日より、日本聖公会震災支援仙台オフィスのスタッフとして着任されました。任期は、3か月毎の更新となっています。現地オフィスでは主に、専門性を生かして管理システムの構築と維持にあたっておられます。お働きのためにお祈りください。
【被災地支援活動報告会】  
7月11日(月) 午後6時30分~ 札幌キリスト教会
第一部 礼 拝:亡くなった方、安否不明の方、被災者の生活再建、東北教区を覚えて祈ります。
第二部 報告会:4月以降、釜石に滞在、支援活動を展開した教役者・ボランティアの方々から、震災地の現状・支援活動について画像を交えて報告を聴きます。また同報告会には、リベリナ教区からの被災地視察チームをお迎えします。
【支援室の活動】
6/23・30「釜石通信」印刷・製本、7/1 運営委員会に大町司祭出席(仙台)、7/4~8
大町司祭・吉野執事 リベリナ教区の訪問団に同行、7/5 吉野執事ユースアッセンブリーへの東北教区青少年招待のための打ち合わせ(仙台)
【次回支援室会議】
7月12日(火)午後3時~ (教区会館)
【震災支援室より】
◎ニュース定期便は、各教会において掲示下さると共に、増刷して配布ください。
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◎ 教会や個人での取り組みについても、お知らせください。他の教会の活動の参考になります。

06.19

支援室ニュース定期便 No.9

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【釜石通信】池田亨司祭発

◎6月6日(月)晴れ
午前:海老原、仮設住宅へ訪問。何人かの入居者に話しかけ、現在、困っていること、必要としている物等、を聞く。これから暑くなるため、生ごみの対策として、蓋がロックできるゴミバケツが欲しいなどの情報等を集める。池田、午後に、配る食器の洗浄。高級な洋皿であったが、汚れとカビ等がある食器があったため。
午後:仮設、駐車場にて、支援物資(食器を中心)に配布する。高齢者の入居者が約十数名来られ、ダンボール6箱分中5箱分を配ることができた。※仮設住宅について:教会の近隣に位置する仮設であるが、正式名称は「上中島応急仮設住宅」と言う。新日鉄釜石の総合グランドに建つ。一棟6世帯分の長屋が31棟、その内1世帯分の空間が集会室。185世帯が入居する。立地条件は、市街地であり、道路を挟んでスーパーマーケット、ホームセンター。
◎6月7日(火)晴れ 日中気温30度を越え、この年はじめての真夏日
午前:海老原、仮設へ訪問。立ち話を通して、今の気持ち・思いなどを聴く。ニーズとして小さい脚立、大工道具、大工仕事などが上がった。
午後:大船渡カトリック教会に司牧の支援に来ている塩田希神父を訪問。特に、大船渡のフィリピン人信徒、その多くは日本人と結婚した女性の状況など聞く。教会に電気・水道が3日前に開通したばかり。塩田神父の案内で、大船渡市、陸前高田市の被災地を車で走る。
◎6月8日(水)晴
午前:池田、幼児学園の礼拝奉仕。海老原、子供たちと折り紙。(この折り紙を配布予定の小分けした米に添えるため)
午後:海老原、仮設訪問。集会所にて地域のボランティアと懇談し情報収集。現段階では自治の運営が行われておらず、情報の格差が広がっている模様。回覧板などの活用や細かいコミュニティ作りを市に提言する事で意見集約。また住民よりごみのトラブル、車の止め方のトラブルが多数聞かれた。大工仕事のニーズが高いのだが、市のルールで勝手な改修などは禁止されているとの情報があり確認中。収納スペースが少ないため、空間を有効に活用したいという発想は当然だと思う。また床に置いているご位牌をおく棚が欲しいという意見も聞かれた。
◎6月9日(木)
午後:釜石市唐丹(とうに)町の本郷・花露辺・大石の各集落を訪問。本郷は支援物資の仕分け作業中であり、挨拶をかわし、今必要としている物資等をお聞きする。洗剤・生鮮食品等が欲しいとのこと。花露辺は、すでに避難所が閉鎖されており、だれとも会うことができなかった。大石においては、地域センターにてちょうど集会中、地域のみなさんに挨拶ができた。その際、みなさんから、これまでの支援に対して感謝のことばをいただいた。大石において被災された方々は支援物資を均等に分けているとのこと。その原則を守っていることをお聞きした。やはり、ここでも本郷とおなじような必要を聞く。
◎6月10日(金)くもりのち雨
午前:市原信太郎司祭(立教中高チャプレン)の訪問を受ける。市原司祭、立教中高生ボランティアを受け入れることが可能か?相談を受ける。園長、盛岡出張で不在のため。話だけ聞く。その後、市原司祭の友人のNPOの関係者を交え、支援物資配付に伴う、プラス・マイナス面を聞く。海老原の案内で、市原司祭、仮設住宅を視察。
午後:2時.仮設住宅駐車場にて、夏物衣類を中心に配付する。時間を予告していたため20数名の方々が事前に集まっていて、5分ほどで終了する。6時.日本キリスト教団釜石新生教会のボランティア・コーディネーターの柳谷信吾さんの訪問を受ける。新生教会の取り組み、およびこれからの課題等を聞く。「生活において不自由・不足のなかに、大切なことを発見し、満たされる」。信仰的に物事を捉える言葉を聴きながら、その経験を分かち合う。
◎6月11日(土)くもり
午前:海老原、仮設住宅訪問。月命日であり震災後三ヶ月の区切りの日であるこの日にお花を配る予定にしていた。できれば大事な人を失った人にお花を差し上げたいので、調査を兼ねて顔見知りを訪問。いくつか情報を得るが、場所がわからないなど不確定な情報が多い。まだ誰がどこに住んでいるかわからない人が多いようだ。
午後:1時.池田・海老原、仮設訪問。お花を12束用意し、家族を亡くした世帯を訪問。あまり話しはせずに、お花を差し上げて帰る。3時.海老原、遠野へ支援物資購入(夏物の帽子、脚立、ポリバケツ)。池田、主日説教準備。
◎6月12日(日)くもりのち晴れ
午前:9時.海老原、仮設訪問。簾と棚の取り付けの依頼を受ける。また昨日お配りしたお花のお礼を言われる。お花の好きな方は多く、慰めになっているようだ。10時30分.聖霊降臨日聖餐式。出席者総勢7名。カトリックのシスターも参加されエキュメニカル・サンデーにふさわしくお祝いする。礼拝後、出席者の高橋理事長夫妻と高橋園長、および精神科医・北川恵似子さん(札幌聖マーガレット教会客員)、シスター真木栄子さん(カロンデレットの聖ヨセフ女子修道会)とで懇談。仮設住宅の独居高齢者の情報を交換し、こころのケアの必要を考えている地元の宗教者を紹介していただく。
午後:3時.池田・海老原、仮設訪問。朝に依頼を受けた独居の高齢者を訪ねる。二人で苦戦しながら簾と棚を取り付ける。その後近所の高齢者も加わりお茶を頂く。昨晩の冷え込みについて聞く。やはりカーペット等の必要性を再認識する。仮設入居に伴い崩壊していた人間関係が蘇り始めている。以前暮らしていた集落の友人知人が仮設内で再開しているようだ。互いに訪ね合い行き来する姿が増えている。小さなグループやコミュニティができつつあり、孤立化の防止に繋がると思われる。しかし本当に孤立している人はまだ存在しているのだろう。
夕:高橋理事長奥様の差し入れ「鯛の煮付け」でペンテコステの夕食をいただく。
◎6月13日(月)くもりのち晴れ 夕方雷雨
午前:10時.池田・海老原、仮設の一人暮らしで塞ぎこんでいる方宅への訪問。その方のところに、仮設に住む友人が訪ねていて、いっしょに30分ほどお話を聞く。鵜住居で近所であったとのこと。「じいさん(夫)の位牌を(津波で)流してしまい、申し訳ない」と涙ぐむ。ただ、ただ、傾聴する。ほか、ゴミ用蓋付ポリバケツを必要としている方、脚立を必要としている方のもとに届ける。
午後:高木泉さん(深川聖三一教会信徒・大学4年)、来釜。高木さんは今月末からアイルランド・ダブリンで開催のGFS世界大会へ日本代表として参加される。そのため、被災地に直接足を運び、その目で見たい旨を受け、今回の来釜石となった。海老原が、フランシス号(軽四駆)を走らせ、釜石市街地、鵜住居、大槌町市街、陸前高市、大船渡市地等の被災地を案内。
【支援室の活動】
6/8 支援室事務局会。6/9~10 日本聖公会震災支援運営委員会(仙台)に植松主教・大町司祭が出席。6/11 震災犠牲者追悼レクイエム(仙台基督教会)に植松主教出席・説教。6/13・6/14 支援室事務局会
【次回支援室会議】
6月20日(月)午前10時~ (聖マーガレット教会) 印刷・製本作業があり、人手があると大変助かります。

06.05

支援室ニュース定期便 No.8

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〇震災から3か月が間近
6月11日(土)に、東日本大震災発生3か月を迎えます。東北教区では、この日、震災のすべての犠牲者を覚えての記念聖餐式(レクイエム)を、主教座聖堂仙台基督教会信徒会館(同礼拝堂は、震災以降余震による損壊の危険があるため使用されていません)にて、加藤博道 東北教区主教の司式、植松誠 首座主教の司式で捧げられます。北海道教区の諸教会においても、6月5日、又は11日の主日礼拝で、「東日本大震災のための祈り」を用いるなどして、祈りを共にいたしましょう。
〇釜石での働きに、池田司祭が着任
6月2日より、池田亨司祭(札幌キリスト教会)が釜石に着任。ボランティアとして海老原祐治兄が加わりました。下澤司祭は1か月間の現地でのお働きを終え、6月4日に帯広聖公会に帰任されました。また下澤依子姉は、20日間にわたり下沢司祭と共にお働き下さいました。雨宮春子姉は、5月22日~29日看護師・助産師の資格を生かし、避難所の市内体育館に常駐。夜間の見守りをなど避難所生活者の健康管理の働きをされ、並行して、聖公会の働きにも参加して下さいました。
〇【下澤司祭による釜石通信】 2011年6月1日 発
【5月22日(日)】
午後4:00、事前に仮設住宅にチラシを配布し、震災で亡くなった方々を悼む「追悼の夕べ」を行うが、出席者はなかった。用意していた花束、帯広の信者さんから提供された買い物バッグを仮設で配布、これは喜ばれた。殺伐とした仮設住宅の暮らしで、多くの人が花束を喜んで下さった事で、私たちが見過ごしてきた被災者の心の動きに気づかされる。栃木県のアジア学院から出荷、東京教区を経て送られた卵2千個、豚肉26キロが到着、市の災害対策本部に届けた。
【5月23日(月)】
午後、買い物バッグをもって南へ下る。本郷という地区の屯所でぜひ欲しいというので17個全部を置いてくる。帰りの釜石への入口は大渋滞。500メートルに30分以上かかる。
【5月24日(火)
】仙台より加藤主教、管区宣教主事の中村司祭、大町司祭、九州教区のボランティア 山本さん来訪、理事長、園長を交えて今後の方策を確認する。北海道教区がこの地で活動を継続することが、決して一人よがりではなく、釜石の方々から期待されての事と分かり安心する。その上で、保育園での子どもたちのことを第1に考え、今後は保育園の外に拠点を設ける可能性に含め支援を継続する事になる。
【5月25日(水)】
午前中、大町先生と共に鵜住居へ。先生のご親戚が安否不明になる前に住んでおられた住宅跡を訪ねる。原型を留めない住宅地で記念になる品を探し、かろうじて残っていた小さな庭草の芽を掘り出し、先生は持って帰られた。鵜住居から14キロほど上流の橋野地区に、北海道を中心に自然学校などに取り組んでいるNP0「ネオス」が入って活動をしており、そこを訪ねる。今後、機会があれば働きにおいて協力していきたいと思う。
【5月26日(木)】
午後、JOCS(キリスト教海外医療協力会)の働きで、避難所で看護士として詰めている雨宮春子さんが来る。仮設での買い物バッグの配布を手伝ってくれる。
【5月28日(土)】
朝、飯野先生や当時のボランティアの方々が物資を運んでいた大石地区の屯所から来訪、ホタテを届けてくださる。感謝。大石地区の支援に携わられた飯野先生たちには申し訳ないが、なま物なので、保育園の先生たちと分け合って食べてしまった。このように被災者の方々の優しさに触れることが多くなった。まだまだ途上ではあるが、被災地にも少しの余裕が生まれてきたことを実感する。
【5月29日(日)】
午前10:30 聖餐式。8名出席。この日帰る雨宮春子さんも出席。ここでの説教は難しい。震災を意識するなというのは無理な話しだ。かといって、外から来た人間が悟りきったかのように語るのも失礼だ。みんなで悩もう、語り合おう、主を信じて歩もう、結局はそれしかないのではないか。
今現在の支援活動の主な課題は次のようなものだと思う
・釜石神愛教会・幼児学園での礼拝と、信徒・職員・園児・園児家族への牧会的かかわり
・仮設住宅の世帯を把握すること。特に2割ほどを占める独居老人世帯。ある程度定期的に訪問する。世間話しでよい。時と必要に応じた物資の配布。 ・残留支援物資の処分。
・神愛幼児学園の外部にボランティアの宿舎と支援の拠点を設置する事。
【5月31日(火)】
午後1:30、管区の渉外主事とともに英国からアングリカン・コミュニオンの災害支援担当、アメリカ聖公会の同部署、シンガポール聖公会の担当部署から2名、計5名が来訪。こちらの支援活動の様子をお話しする。現地に来て見ていただかなければ理解できないことが多い。日本国内でもそうなのだから、外国ならなおさらである。向こうの話しを聞くと、日本の教会が、行政などと対等の立場で支援活動に関わり合えないのが不思議に思うらしい。現に、釜石でも私が行政や関係団体に行く時には、保育園から来たという方が信頼され、話しが早い。教会からというと、同時に、怪しい者ではないという説明も加えなければならない。難しい話しだが、そういう空気を外国の教会には分かってもらう必要がある。2時間ほど話し、大船渡経由で戻っていかれた。
同時刻、依子が仮設住宅に車を乗り付け、荷台をテーブルにして衣類等の配布を行う。あっという間に無くなった。今日始めて分かったことは、お年寄りに年金が支給される前の期間は財政的に苦しい方が多く、支援物資が喜ばれるという事。こんな事、考えもしなかった。また、季節の変化に応じて不足しているものもある。夏物の衣類、男性のステテコなどだ。これも、自分が着用しないので分からない事だった。きめ細かい支援が必要だと、改めて思う。取りに来た人の中には、1時間も話をしていく人、お礼にといって、どら焼きを買ってきて下さった方もあった。感謝である。
午後6:30、2回目の追悼の祈りを行う。今度は保育園の先生たちも多数出席。献花に代え一人一人が小さなろうそくを捧げ、点火し、祈る。ささやかだが、亡くなった人々を心に留め、悼む集いになった。最後に歌った聖歌のロンドンデリーで、依子のピアノ伴奏のキィが高く、私の声が途中でひっくり返って笑いを誘わなければ、もっとすばらしい祈りの機会になるはずだった。
〇支援物資・ボランティアに関して
・各教会からの支援物資の送付は引き続き停止中です。
・ボランティア登録カードは、各教会に配信され、教区のホームページからダウンロードする事もできます。支援活動が、長期となる事を予想していますので可能な時期をご登録下さい。
※(ボランティア派遣に関する詳細は6号を参照ください。)
〇教会の仲間たちの働きの紹介
・6月18日19:00,19日15:00・19:00:劇団一揆「東日本大震災チャリティーライブ」
成田真澄姉・成田敬憲兄(共に聖マーガレット教会信徒)が、キャスト・スタッフとして参加。
〇支援室の活動
・5月25日~26日、大町司祭、釜石での今後の働きについて、打ち合わせのために訪釜。
・5月26日、「大震災市民ネットワーク・むすびば」による市民向け報告会に3名が出席。
・5月27日、「支援室会議」大町司祭、吉野執事、高橋力兄、表瑞木姉、尾崎武治兄が参加。主に、①道内で出来る取組みについて。②幅広く行き渡る広報の仕方について協議。
・5月30日、池田司祭、海老原兄、派遣前オリエンテーション。
・5月30日~6月4日、表瑞木姉を仙台の日本聖公会震災支援オフィスに派遣。
〇次回支援室会議:6月8日(水)午前10時~ 教区会館
今後とも支援室の働きのために協力者を求めています。どなたでも、是非、ご参加ください。

05.22

支援室ニュース定期便 No.7

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〇支援は、第二段階へ
・前号でお知らせしましたように、飯野司祭は5月7日に釜石を離れてオホーツク3教会に帰任。5月5日より、下澤司祭が釜石に着任しました。下記の「釜石通信」にもありますように、釜石神愛教会・幼児学園の近くに多数の仮設住宅が建設され、新たな支援の在り方が模索されています。5月22日の夕には、釜石神愛教会において「被災者追悼の夕べ」が、仮設住宅の方々へもご案内して計画されています。私たちも、主日の夕の祈りの中で、この事を覚えて祈りを共にしましょう。
・5月12日~14日に開催された教区教役者会において、飯野司祭より釜石での働きについて報告をいただきました。また、5月19日に開催の教区常置委員会には、釜石より下澤司祭が一時帰道され、報告をいただき今後の支援の課題と展望について協議しました。
・雨宮春子姉が、看護師・助産師の資格を生かして釜石での約10日間の活動を開始されました。釜石で活動を継続しているJOCS(キリスト教海外医療協力会)が行う支援活動への参加です。
・地震発生2か月を経て、①日本聖公会そして北海道教区が、どのような展望を持ち今後の活動をするのか?②諸教会・信徒に、今後どのような活動が期待されているのか?③募金に関する状況と今後の可能性? 等について、幅広く理解を得るための中間報告を準備したいと考えています。
〇【下澤司祭による釜石通信】
飯野先生の後を受けて釜石に滞在するようになり、ちょうど2週間になります。いつも教区の皆さんの支えを感じながら日々の仕事に励んでいます。ボランティアの一花さんがおられた期間は、まだ避難所や支援物資の集積場所を回り、必要な品物がないかどうか等の情報を収集したり、市内の他教派の教会を訪れるなどの活動がありました。その後、支援物資の流通が確保されるに従い、主な仕事は教会や幼児学園の中身に関することに自ずと移ってきたように思います。また、釜石市内の雰囲気、人々の様子などをお伝えすることによって、復興の進み具合や現在必要なものを顕在化させることも私の任務ではないかと考えています。
釜石は、津波によって市街地の約3分の1が破壊された状態にあります。しかし、無事だった人々も決して穏やかに生活している訳ではなく、町全体が被災地として強いストレスを受けたまま日常生活を送っている状況です。そのような中で教会が祈りの場であり、幼児学園が子ども達にとって安心できる環境であり続けること自体が、大きな宣教的な意味を持っていると感じています。
仙台に管区の支援拠点が確保されるに従い、それに連動する形で連絡を取ったり、訪問を受け入れるアレンジの仕事が多くなりました。今後は、更にそのようなタスクが増えることと思います。もはや東北教区の一教会として以上に、日本聖公会全体にとって、被災地復興の象徴的な存在になっていくことと思います。
教会・幼児学園のすぐ近くに、150世帯が入居する仮設住宅ができました。新日鉄釜石のラグビー部練習場だった場所です。ここにはご家族を失い、悲嘆の中にある方々がおられます。また相当長期にわたる滞在が予想されます。それらの人々にとって教会と幼児学園が、少しでも拠り所となって行くことが今後の大きな、そして重要な課題だと考えています。
先週から、一花さんに代わって妻の依子が釜石に参りました。事実上、帯広から牧師館ごと越してきたような感があります。依子は先生たちの休養を確保するために補助として保育に入っておりますが、そこでの先生たちとのやり取りや、子どもたちとの会話から、釜石市民の飾らない生の声を聞くことができます。現状では、私たちの存在は客人の域を出ないものと思いますが、人々の声を真摯に聞くことを通じて、少しづつ必要とされる存在として認められることを願っています。
〇支援物資・ボランティアに関して
・各教会からの支援物資の送付は引き続き停止中です。
・ボランティア登録カードは、各教会に配信され、教区のホームページからダウンロードする事もできます。支援活動が、長期となる事を予想していますので可能な時期をご登録下さい。※(ボランティア派遣に関する詳細は前号を参照ください。)
〇管区の動き
日本聖公会は、仙台に「支援オフィス」を設け、中村淳司祭(東京教区・管区宣教主事)が、常駐者として着任。仙台基督教会のごく近くに事務所用のフロアーを借りると共に、複数の専従スタッフを備えたオフィスとして東北教区と連携して、情報収集、被災地における活動拠点間の連絡や、ボランティアの派遣業務、広報活動を行います。この事により、日本聖公会全体や関連団体(立教大学など)が持っている人的資源を適切に活用して、広範で展望のある復興支援にあたる事が期待されています。教区の支援室ニュースでは、釜石での働きを中心に取り上げていますが、被災地全体での日本聖公会の活動については、東北教区ホームページで見る事ができます。
〇支援活動をなさった方々から
聖公会や教区の窓口を通してだけではなく、私達の身近な方々が、既にたくさん被災地に赴いておられます。これらの方々からの声を「支援室」では、順次紹介していきたいと思います。
【大友 宣 さん】より
現職:横須賀市にあるキリスト教病院「衣笠病院」と関連の「湘南国佐村クリニック」で勤務。普段は在宅医療、在宅ホスピスの仕事に就いておられます。
活動内容:3月27日から3月29日まで、釜石市での医療視察
「“フツウ”に悲しむ」
涙と共に種を蒔く人は 喜びの歌と共に刈り入れる(詩編126:5)
被災者の一人とお話する機会がありました。彼女は「私も他人事ではないのよ」と言って、夫が津波で流され、流れ着いたところでは息があり近所の方が蘇生処置をしてくれたが、程なく亡くなってしまったことを話されました。数週しか経っていない時に、深い悲しみの出来事を極めて淡々と話している様に私には感じられました。このような過酷な状況下では、もしかすると、“フツウに”悲しむというのはなかなか出来ないのかもしれません。“フツウに”悲しむというのは落ち着いた生活や家族がないとなかなか難しい様に思います。被災した人やそのご家族が、フツウに生活し、フツウに悲しむことが出来るように支援することが必要です。フツウに悲しむことができるような生活が復興につながっていくように思います。紀元前のイスラエルの人たちは、外国によって街が徹底的に破壊され、遠い土地に奴隷として七十年くらい移住させられていました。その人たちがついに故郷に帰るときに歌ったのが冒頭の詩編です。現代の東北の被災地でもこれは真実味のある言葉ではないでしょうか。(衣笠病院の月報に掲載の一部より)
〇支援室より
・「大震災市民ネットワーク・むすびば」による市民向け報告会が、26日(木)午後7時より札幌駅北口の「エルプラザ」で開かれます。是非、ご参加を。
・次回の支援室会議は、5月27日(金)、午前10時30分より教区会館で行います。特に、①道内で出来る取組みについて。②幅広く行き渡る広報の仕方について。協議と作業をしたいと思います。今後とも支援室の働きのために協力者を求めています。どなたでも、是非、ご参加ください。

05.08

支援室ニュース定期便 No.6

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〇釜石での働き、飯野司祭から下澤司祭にバトンタッチ
飯野正行司祭は、4月7日に釜石に着任以来、1か月にわたる働きを終えて、5月7日(土)帰途 に。飯野司祭が留守の間にオホーツク3教会は、イースターを迎え、復活日礼拝は、札幌キリスト 教会より池田司祭が紋別聖マリヤ教会・北見聖ヤコブ教会・網走聖ペテロ教会に派遣され守られま した。1か月の間のオホーツク3教会のご理解とお支えに感謝。また、後任者として下澤昌司祭が 5月5日(金)に釜石入り。飯野司祭との引き継ぎが行われ、今後一か月の予定での働きがスター ト。この間、帯広聖公会の皆様を始め教区全体で留守の間の働きをお支えしましょう。飯野司祭着 任の間、支援物資の配布など緊急的な支援から継続的な支援へと被災地での必要も刻々変化してき ました。飯野司祭の働きを通して築かれた、釜石神愛教会・神愛幼児園や地域の被災者・支援グル ープとの信頼関係を基礎に、新しい段階の働きが下澤先生を中心に模索される第二段階を迎えます。
〇ボランティアの働き
・雨宮信喜さん(岩見沢聖十字教会信徒)は、4月16日(土)~20日(水)の間、釜石にて奉仕され、釜石の状況や支援活動の可能性について、ファミリーサポート聖十字広場職員としての経験を踏まえての貴重な示唆をいただきました。
・岩崎良平さん(稚内聖公会信徒)は、4月16日(土)~5月5日(木)の長期間にわたり、飯野司祭を助け、また被災教会でもある日本基督教団釜石新生教会で行われている支援活動もサポートされエキュメニカル(超教派)での働きにも貢献されました。
・一花徹さん(藤沢聖マルコ教会・元聖マーガレット教会信徒)は、5月2日より現地入りされ、約10日間の予定で活動されます。
〇ボランティアの登録に関して
22名の方々が登録され、現在まで10名の方が釜石を訪ねました。又3名は、教区支援室の事務スタッフとして奉仕下さっています。一方、現地に行っていただく時期や期間、活動の内容は、現地の状況に合わせて支援室で随時決定していますので、登録された方々の希望に必ずしも添う事ができないケースがある事を、改めて了承下さい。仙台に日本聖公会の震災支援オフィスができ、各地の支援を企画・統括する機能が整備されましたので、釜石以外の活動に派遣される可能性も出て来ました。 尚、ボランティア登録カードは、各教会に配信され、教区のホームページからダウンロードする事もできます。支援活動が、長期となる事を予想していますので可能な時期をご登録下さい。
〇支援物資について
各教会から支援物資の送付は停止中です。現地では既に支援物資が行き渡っている事や、地元商店が開店し始めた事、神愛教会の保管スペー スの関係などから、支援物資の受け入れを停止しています。
〇支援活動用車両は、「ミニ四駆フランシス号」
活動用車両として、板原進さん(京都教区・上野聖ヨハネ教会信徒)より提供をいただいて車両は、支援活動に欠かせないものとして役立てられていますが、現地では「ミニ四駆フランシス号」の愛称で呼ばれています。東北教区震災支援室代表の長谷川清純司祭、釜石神愛教会の協働司祭である中山茂司祭、そして飯野司祭の教名が揃って「フランシス」である事にちなんでの命名です。「平和の祈り」携えて被災地を今日も走っています。
〇管区の動き
震災被災地の各地で展開されてきました「緊急支援活動」を、「地域復興支援活動」として長期的に展開するため、日本聖公会は、仙台に専任者を配置し「支援オフィス」を設けました。日本聖公会や 関連団体(立教大学など)が持っている賜物を適切に活用して広範な復興支援にあたる事となります。


【以下は、飯野先生が毎日支援室に報告されている通信から引用です】

4月24日(日)
被災地での復活日聖餐式。理事長ご夫妻、園長高橋仁美姉、松田兄、岩崎兄、飯野の6名の聖餐式。仁美姉は、週報を作り、オルガニストをされ、オルターをされ、園だけではなく、教会でもとても大きな存在です。本日の礼拝では、旧約が松田兄、使徒書を岩崎兄が朗読。 理事長の高橋章介兄は点鐘と代祷をされました。週報のお知らせ欄には「こんなに待ち遠しくイー スターを迎えたのは、私達の人生で初めてのような気がします」とあり、今回のイースターには特別の意味合いがあったのだと感じました。司式の最中にも地震があり、私の背中のほうで(ここは 東面礼拝です)「あ、地震だ」の声がしていましたが、よほど強い揺れでない限り続けようと思いま したので私は続けました。揺れはすぐに治まりました。礼拝終了後の理事長夫人の「本当に幸せで した」の言葉に、やはり特別な意味合いがあった事を実感いたしました。
4月27日(水)
テレビに映る瓦礫片付け作業はやはりインパクトが強いですし、問い合わせの声も聞いた事がありますので、私自身、把握したいと考え、行ってみました。お聞きしたところ、 今は全部、業者(建設業等)に委ねているそうです。つまり、ボランティアではなく「仕事」です。 自衛隊もやっていますし、業者による重機でも作業していますし、人力で拾える程度の片づけはもういらない形です。つまり、専門職による瓦礫片づけが今は求められているという事です。一つ心に留めるべき事は、仕事を求める被災者の仕事を奪わないという事です。
5月2日(月)
午後は、これからの活動(殊に、一花兄が来られてから、下澤司祭が来られてからの事)について確認・調整いたしました。明日より3日間保育園がお休みになる事と5日朝に岩崎兄が帰られる関係で、 岩崎兄は園児たちの所へ招かれ「感謝・お別れ会」がなされ、園児たちよりプレゼントもいただいた ようです。岩崎兄も目頭が熱くなったようです。夕食は理事長宅でいただきました。
5月4日(水)
明朝、岩崎兄が帰道されます。岩崎兄には大変お世話になりました。とても良く気付かれる方でこまめに動かれる方でした。毎朝、園の庭掃除をされました。料理もしてくださいました。物資を運ぶ段取りをつけて下さったり、地域の集積所の方々ともすぐにうちとけた交わりをもたれていました。大変お疲れになった事と思います。岩崎さん、本当にお疲れ様でした。感謝しています。
◎下澤司祭からの第一信
無事に釜石に入りました。こちらに来るまでは漠然と想像していましたが、いざ来て自分の目で見てみると、あまりの茫漠とした街並みに衝撃を受けています。とんでもないことが起こったのだと。今日は飯野先生に連れられて数箇所の集積所をまわり、挨拶をしてきました。やはり、物資の面では事足りているようです。それにしても深い感動を覚えるのは、ここに至るまでの飯野先生のお働きです。さまざまな人たちが飯野先生に感謝し、助けられたと言っています。なりふりかまわず、一心不乱に被災者のために物資をもって訪問を繰り返されたのでし ょう。まったくもって頭が下がります。ぜひ、労をねぎらってあげてください。教会とは縁もゆかりもなかった人々が、飯野先生の働きを通して、教会に親しみを持っているようです。感謝です。

【震災支援室からのお願い】

  • ◎「定期便」と銘打っていましたのに、2週間にわたり欠号となり申し訳ありませんでした。今後隔週での発行を考えています。今後ともよろしくお願いいたします。
  • ◎ニュース定期便は、各教会において掲示下さると共に、増刷して配布ください。
  • ◎教会や個人での取り組みについても、お知らせください。他の教会の活動の参考になります。

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