日本聖公会北海道教区ハラスメント防止宣言

私たちは、北海道教区として、すべての人は神からの命が分かち与えられたものとして、その人格の尊厳が尊ばれることを深く認識し、ハラスメントによって他の人の人権を侵害する言動を行わない決意を表明します。そのようは言動を防止するための万全の配慮と不断の努力を行うことを宣言します。

2.ハラスメントとは(ハラスメントの定義)

 ハラスメントとは、性別、人種、国籍、心情、職業、社会的身分あるいは広く人格に関る事柄について、ある言動を繰り返すことにより相手方に不利益を与え、人問の尊厳を損なうことを言います。ハラスメントは「力の差」に伴って起こり、自分が嫌だと感じていても力の強い相手に明確に拒否できないという背景があります。しかし、加害者は「自分にそのつもりはまったくなかった」と主張することが多く、加害者と被害者の意識の隔たりが問題の解決を難しくしています。たとえ親しさの表現、励まし、指導が動機であったとしても相手がそれを不快と感じれば、それがハラスメントです。次に、ハラスメントと言われる状況について、いくつかの形態に別けてご説明いたします。

セクシャル・ハラスメント

 相手の意に反した性的な言葉や振る舞いによって相手や周囲の人に不快感を与え、環境を悪化させたり働きにくくしたりすること。セクシャル・ハラスメントは、する方とされる方で受け止め方に違いが起こる場合が多くありますが、そこには力関係が働くがゆえに相手はノーと言えない状況が生じているということを理解しておかねばなりません。ある言動がセクシャル・ハラスメントに当たるかどうかは、する側の意図に関らず、受ける側が「不快」と感じることが基準になります。

対価型セクシャル・ハラスメント

 地位を利用し何らかの利益の代償、あるいは対価として性的要求が行われるもの。例えば、教授が学生に性的な関係を強要したが拒否されたので教授はその学生に単位を与えなかった、というようなケースです。

環境型セクシャル・ハラスメント

 はっきりとした経済的な不利益は伴わないにしろ、それをくりかえすことによって環境を悪化させる性的な言動をいう。また、この環境型ハラスメントを許していることが対価的ハラスメントの被害を生み出すことにつながります。例としては、性的な冗談やからかい、個人の性的な体験談を話したり聞いたりすること、身体への不必要な接触などがこのケースです。

ジエンダー・ハラスメント

 ジェンダー(社会的、文化的性差)によって相手を不快にする言動.ジェンダーから来る固定的な性別役割分担の考えが性差別的な言動を引き起こします。例えば、「信徒の代表は男性でないと困る」、という発言など。外向きのことは男性が、内向きのことは女性が行うべき、という考えを指します。

パワー・ハラスメント

 職業や情報、専門スキルをもつもの、あるいは集団であることなどの力関係の上で優位にある人が意識的であるか無意識的であるかを問わず、その地位もしくは権限を利用、あるいは濫用して継続的に相手の勤労意欲や学習意欲を著しく悪化させる不適切な言動または待遇を指します。教育指導の上の配慮とは区別する必要があります。例えば、「文句があるなら辞めていいんだよ。お前の代わりはいくらでもいるんだから」、などの言動。

モラル・ハラスメント

 精神的虐待や嫌がらせのことで継続的な関係の中で起こることが多く、態度や行動で相手の言動をそれとなく非難することから始まり、徐々に中傷、無視、冷たいまなざし、罵倒などの精神的暴力を行うことによって、相手の安心や自信、自由の感情を著しく減退させ、相手を自分の思い通りに支配していこうとするものです。例えば、その人の自尊心に関ることを嘲笑したり傷つけたりする。また、恩着せがましい態度やえこひいき、はやしたて、仲間はずれなど。いじめはこのケースに属します。

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