4.ハラスメントを起こさないために
ハラスメント防止のためには加害者、被害者の周囲にいる第三者の態度が重要です。ハラスメント行為に対して見て見ぬふりをしたり、被害者のせいにしたり、組織や立場を守るためと称して、無かったことにしようとすることは加害者に加担する行為です。共同体の皆ですべての暴力に対してNOという立場をはっきりと表すことが二次被害や再発を防止する上で大事なことであります。ハラスメントは特異な人、あるいは特別な人が起こすのではなく、力の差があればどこでも起こり得、私たち自身も加害者にも被害者にもなることがあります。しかし「力」は目に見えて明らかなものだけでなく、時には「文化」や「教育」、また「指導」など、これまで多くの人が当然と受け止めていたような形をとっていることもあります。このことから、これまで当たり前だと思っていたことを意識化するための「気づき」のプログラムを実施することが重要であります。また、ハラスメントを防止するための仕組みや制度を整えていくということはハラスメント防止のためのひとつの側面に過ぎません。私たちがこの取り組みから学び、成長するように促されていることは、すべての人が神から与えられた交わりを回復するように働くことです。一人ひとりがこの世界の痛みや破れ、苦しみによる抑圧から解放され「一人の人間」として尊重される道筋の中にこの課題を位置づけたいと思います。
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