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 この時期になりますと、昔アメリカ留学中に過ごしたクリスマスを思い出します。三〇数年程前ですが、私はオクラホマ州の小さな田舎町の大学院で学んでいました。ホームシックには対処できましたが、たまらなく寂しく、孤独感を感じることが年に二回ありました。一つは十一月の感謝祭(サンクスギビングデー)と、もう一つはクリスマスでした。両方とも、アメリカでは祝日となっていて、丁度日本のお盆やお正月のように、多くの人が自分の家に里帰りし、数日間のホリデーを家族揃って楽しく過ごします。
 私の大学でも、この時には学生たちが皆、里帰りするので、学生寮は暖房と電気が止められ、どこにも行き先のない留学生たちは、その間、毛布にくるまって震えながら過ごします。どの家庭でも皆が談笑しながら、七面鳥の晩餐を囲んでいる情景を想像しながら、車も持たない留学生が、どこにも行けずに、ローソクの灯りの中で震えながら休暇の終わるのを待つというのは、本当につらいものでした。
 自分を招いてくれる友がなく、自分の寂しさや孤独をわかってくれる人もないというのは、もしかするとそれが「馬小屋」なのかもしれません。暗くて、汚くて、寂しいところ。しかし、そのようなところをわざわざ選んで、神の御子はお生まれになったのです。
 自分は独りぼっちだし、主をお迎えする資格なんてないと思っているあなたのところに主がお出でくださいます。クリスマスおめでとうございます。

 2009年12月 主教 ナタナエル 植松 誠